﻿0 久々にこいつの口から意味のある言葉を聞いた気がする。 empty
0 恵一「そうでもないだろ。自分から捧げるって話だったんだろ」 empty
1 花「それは」 Hana078
0 恵一「オナニーとかもあんまりしないタイプか」 empty
1 花「……」 Hana079
0 黙り込んでしまった。もうそれは肯定とあまり変わらない。 empty
0 オナニーもあんまりしないような奴が、援交好きの友達に誘われて……か。きっと、そんなこともあるんだろう。 empty
0 恵一「ま、あんまり無理なら無理するな」 empty
0 この言葉を受けて、ちょっと落ち込んだような顔になった。 empty
0 恵一「無理しなきゃならないような状況なら、俺からは何も言ってやれない」 empty
0 気まずい沈黙が流れる。可南子、シャワーがちょっと長いんじゃないか？ empty
0 俺たち三人が一緒に歩いたのはラブホテルを出る所までだった。 empty
1 可南子「あ、ちょっ、花さん！？」 Kanako220
0 ふらふらとした足取りだったのはラブホテルの中でもそうだったが、足取りをそのままにあさっての方向へ歩き出した。 empty
0 いや、あさっての方向、なんて言い方も無いか。俺たちがこれから向かう先も決まってないんだから。 empty
1 可南子「ちょっと、待ってくださいってば」 Kanako221
0 可南子は暫く並んで歩いて、何か色々言っていた。 empty
0 例えば「そんなにショックでした？」とか「余分を貰うなら今のうちですよ」とか。ちょっと離れても聞こえてくる。 empty
1 可南子「……それじゃ」 Kanako222
0 最後はその一言で、花と並んで歩くのをやめた。そして、俺の方へと戻ってくる。 empty
0 こいつも、人を心配そうにする顔なんてのができるんだな。子供みたいな性格しておいて。 empty
1 可南子「どうしましょう、恵一さん」 Kanako223
0 恵一「何の話だ。花か？」 empty
0 どうしようと言われても。犯したのが俺である以上、何も言ってやれない。 empty
0 恵一「放っとくしかないんじゃないか」 empty
0 可南子が呆れたように、首を横に振る。俺はこいつに呆れられることは何もしてないが。 empty
1 可南子「いえ。私達がこれからどうするか、です」 Kanako224
0 恵一「何だ？　ラブホテルをハシゴするとか言い出すなよ」 empty
1 可南子「……何です、それ？　意味分からないですよ」 Kanako225
0 確かにな。俺も言ってからちょっと思った。気分が少しだけ浮ついているようだ。 empty
0 そこから暫く歩いた。可南子と待ち合わせたのが、家と会社の間ぐらいの位置だったので、家までさほど遠くない。 empty
0 その距離を、一緒に歩けばどうなるか。 empty
0 恵一「お前、どこまでついてくる気だ」 empty
1 可南子「どこまででしょうねえ」 Kanako226
0 なんか、こんな事前もあったな。だとしたら、どうやって追い払ったんだっけか。 empty
0 恵一「あんまりついてくるなよ。家まで来る気か」 empty
1 可南子「ええ」 Kanako227
0 それを臆面も無く言ってしまう可南子。ストーカーとはちょっと言えない。 empty
0 だからその点、茉莉みたいな不気味さはないな。 empty
0 恵一「お前、面倒くさいな」 empty
0 ちょっと顔をしかめる可南子。しかしすぐにこっとなって、 empty
1 可南子「騎乗位も、普通の女の子なら面倒に思うかもしれませんよ」 Kanako228
0 なんて言いやがった。どういう返しだよ、それは。 empty
0 恵一「自分が面倒なことをしたから、俺も我慢しろって？」 empty
0 だとしても、面倒の質がだいぶ違うな。億劫なことと、厄介なことの違いだ。そして俺の身に降りかかろうとしてるのは後者。 empty
0 恵一「厄介なことになるだろ、このままついてくると。家に帰れ」 empty
1 可南子「もー、体力たっぷりなくせに」 Kanako229
0 恵一「男はな、際限なく女を抱けるわけじゃないんだよ」 empty
1 可南子「きゃあ、惚れちゃいました、ついていっていいですか」 Kanako230
0 面倒くさい……本当に、面倒くさい。億劫と厄介両方で面倒くさい。 empty
0 さらに暫く歩く。このままじゃ本当に家についてしまう。 empty
0 まあそれもいいか、こいつには住所も知られてるし、と思いついてこさせていた。 empty
0 すると、意外なツーショットを見ることになった。 empty
1 茉莉「お帰りなさい、恵一さん」 Mari090
0 家の前で、茉莉が待っていたのだ。俺は思わず可南子を見るが、可南子も思わず俺の方を見ていた。 empty
0 可南子と茉莉は特に接点も無いはずだ。どうして茉莉が、ここに。 empty
1 可南子「……茉莉さん、でしたっけ」 Kanako231
0 恐る恐る近づく可南子。こいつが人に対して不審そうにしてるのを見ると、なんか新鮮だ。 empty
0 茉莉は茉莉で、いつもの無表情で突っ立っている。それは俺もか。 empty
1 茉莉「恵一さんって、よっぽど援交させるのが好き？」 Mari091
0 恵一「嫌いじゃないけどな」 empty
0 可南子からしたら、俺と茉莉の会話は、どう映ってるんだろうか。 empty
0 よくよく思えば、俺も表情をあまり変えるタイプじゃない。だから、仏頂面を付き合わせることになる。 empty
0 恵一「俺の家まで何の用事だ？　場合によっちゃ警察を呼ぶぞ」 empty
1 茉莉「女の子買ってる貴方が、警察を呼ぶ？」 Mari092
0 恵一「放っとけ。脅しじゃないぞ、俺の家まで来てるんだからな、不審者だ」 empty
0 可南子が会話に割り込もうとタイミングをうかがってる。うかがってるのが分かるくらい、こいつは表情をころころ変える。 empty
1 茉莉「自分で分かってる……？　貴方、そういう女の子を引き寄せる才能がある」 Mari093
0 恵一「……」 empty
0 自分でも、気づいてる話だ、それは。今どうしてそんな話をするのかは分からないが、自覚はある。 empty
0 まともじゃない男に、まともじゃない女が寄ってくる。それは、ある程度俺の中で確信を持って言える。 empty
0 恵一「才能か。そんな言い方、変だろ」 empty
1 茉莉「変じゃない。才能って言わない方が変」 Mari094
0 恵一「たかだか四人援交してるやつを知ってるだけだろ。それくらいどこにでも」 empty
0 言いかけて、違うと思った。そりゃ、四人くらいと接点を持ってるのは珍しくないかもしれない。 empty
0 だけど俺の場合、全員が向こうから寄ってきてる。確かに、彼女の言うとおり異常なのか。 empty
1 可南子「あの、私を仲間はずれにしないで下さいよ」 Kanako232
0 俺と茉莉の間に、割って入ろうとしてくるが、茉莉は構わず話を続けた。 empty
1 茉莉「一つ目の才能は、貴方がからっぽであること……」 Mari095
0 恵一「そんな説教するために待ち伏せてたのか」 empty
0 ちょっと強めに言っても、茉莉はまだ言葉を続ける。 empty
1 茉莉「二つ目は、お金を持ってること」 Mari096
1 可南子「ですからね、何の話をしてるんですか。ねぇ恵一さん、こんな子追い払ってくださいよ」 Kanako233
0 茉莉が、少し可南子の方をちらと見た。そして、ふんと鼻で笑う。 empty
0 二人の間で火花が散っている。確かに、こんな状況は異常だ。援交少女に好かれる何かがなければ、ありえない。 empty
1 可南子「ねぇ、今日はお泊りさせてください。いいでしょう、恵一さん」 Kanako234
0 そして、茉莉が何故こんなことを言ってくるのかも分かってきた。 empty
1 茉莉「貴方は、誰か一人、選んだ方がいい」 Mari097
0 結局は、そこだ。誰に対しても、救うでも落とすでもない態度を取っている。 empty
0 俺は、そろそろ決めなきゃならないのかもしれない。このままの状態は、少なくとも普通じゃない。 empty
0 まともじゃない男とまともじゃない女たち、そんな中にだってルールは必要な気がする。 empty
1 茉莉「無為に私達と居るだけなら、貴方も私たちも、一生そのまま」 Mari098
0 恵一「……帰れ」 empty
0 思わず、吐き捨てるように言ってしまった。痛いところを突かれたからかもしれない。 empty
0 今の俺は、自分は何もしてない、誰も選んでないという素振りで女を弄んでるだけだ。 empty
1 可南子「そうですよ、帰ってください。これから私達はめくるめく愛の……」 Kanako235
0 恵一「いや、お前も帰れ。今日は、一人にさせてくれ」 empty
1 可南子「そんなぁ……」 Kanako236
0 しつこいな。ここまで食い下がってくるのか。茉莉も何か言いたげな目でこちらを見ているし、どうしたものか…… empty
0 しつこいな。ここまで食い下がってくるのか。茉莉も何か言いたげな目でこちらを見ているし、どうしたものか…… empty
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